七不思議の紹介文 (河野 豊博 画)
三女神社の三柱石(さんみょじんじゃのみはしらいし)
ある日、天照大神は天安河原の石を手に取り、人間の住む下の世界を見下ろして、三人娘に「この石の落ち留まるところに鎮座せよ」と言って投げ落とした。その石は安心院に落ち地面に突き刺さった。そのあとから三人娘も降りてきて、三女神社が出来たそうだ。その突き刺さったのが三柱石と言われている。
快長院の人柱(かいちょういんのひとばしら)
快長院養賢という旅の僧が上市に立ち寄った時、病に倒れたが、地元の人達の手厚い看病で元通りに回復した。この恩に報いる為、今一番困っているのは「水が足りない事だ」と聞き、堤防の穴の中に水ら入り、「入滅の行」を行った。それ以来、豊作が続き火事も一度も起きてないそうだ。
常副の五輪塔(つねそいのぐりんとう)
元々これは田んぼの畦に建っており、田植えの時など泥で汚すことがあった。すると、汚した人はお腹が痛くなったり、何か悪いことがおきた。それ以来「五輪さまに泥をつけるとバチがあたる。」と言われ、大切に扱われている。
水沼井(おみいさま)
水沼井という、この井戸はどんなに日照りが続いても枯れる事がなく、どんな大雨が降っても水かさも増えず、水も濁らないと言い伝えられている。
下市磨崖仏 乳不動(しもいちまがいぶつ ちちふどう)
産後、乳の出が悪くて悩む母が下市の磨崖仏の不動明王にお粥を供えてお参りし、そのお粥を持ち帰って食べたら乳がでるようになったと言い伝えられている。
安心院の生き仏(あんしんいんのいきぼとけ)
上市の人々は安心院氏の悲しい最後を悼んで持仏堂を大切に守ってきた。ところが、いつの頃か上市の人が亡くなると持仏堂からお経を唱える声が聞こえて来る様になり、このお経の声を「安心院の生き仏」と呼ぶようになった。
最明寺 鳴かずの蛙(さいみょうじ なかずのかわず)
北条時頼が安心院に滞在中に病気で寝込んでいる時、蛙が一日中鳴いて一睡もできなかったので、経文を唱えるとピタッと鳴き止み、それ以来最明寺の蛙は鳴かなくなったと言い伝えられている。